Google Workspaceからのアーカイブ
MailStore Serverは、Google Workspaceのメールを複数の方法でアーカイブすることができます。どの方法でアーカイブを行うかについては、正しいアーカイブ方法の選択を参照して下さい。
コンテンツ
1. ユーザー情報の同期
Googleからメールアーカイブを行うには、まず最初にGoogle Workspaceとユーザーの同期設定を行います。アーカイブ方法は3つありますが、その内の「個別でのメールアーカイブ」及び「複数メールボックスの一括アーカイブ」では、同期の際に作成するKeyIDが、アーカイブの設定にも必要になります。
ただし、ユーザー情報へアクセスするには、MailStore Server側にもインターネットからアクセスできる正規のSSL証明書が必要となります。
MailStoreがインストールされたサーバーがインターネットからアクセスできない環境である場合は、「全送受信メールのアーカイブ」をご検討ください。
Google Workspaceとのユーザーアカウント連携 | MailStore技術情報 (wareportal.co.jp)
2. 個別のメールボックスのアーカイブ
以下に記載した手順に従って、特定のMailStoreユーザーに対して単体のメールボックスからアーカイブすることができます。アーカイブは手動で実行できる他、スケジュールに従って自動的に実行することができます。
2-1. アーカイブプロセスのセットアップ
メールボックス毎に以下の手順を実施します。
- 現在ログイン中のユーザーのメールボックスをアーカイブするのでない場合は、 MailStore管理者としてMailStore Clientにログオンします。管理者だけが他のユーザーの Eメールをアーカイブすることができます。
- 「Eメールのアーカイブ」をクリックします。
- ウィンドウ内の「プロファイルの作成」にある 「Eメールサーバ」の一覧から、 を選択します。
- アーカイブ設定のウィザードが開きます。
- 「単体のメールボックス」を選択します。
- 次の画面で、メールアドレス、KeyIDを入力します
- “テスト”をクリックし、MailStoreがメールボックスへアクセスできるか確認します。
- “次へ”をクリックします。
- 必要に応じて、アーカイブするフォルダの指定やフィルタ、削除ルールを調整します。 デフォルトではメールボックスからメールは削除されません。特定のケースではタイムアウト値を 調整する必要があります。(例. サーバーが非常に低速な場合、など)
- “次へ”をクリックして継続します。
- MailStore管理者としてMailStore Serverにログオンしている場合は、ターゲットのアーカイブを指定する ことができます。選択したメールボックスのアーカイブ先となるユーザーを選択します。 ユーザーが存在しない場合は、”新規ユーザの作成…”をクリックします。
- “次へ”をクリックします。
- 最後のステップで、アーカイブプロファイルの名前を設定することができます。”終了”をクリックすると 「保存されたプロファイル」の一覧にアーカイブプロファイルが表示され、必要に応じてすぐに実行する こともできます。
- アーカイブプロファイルの実行方法についての詳細は、「MailStoreを使用したメールアーカイブの基本」 の章を参照してください。
3. 複数のメールボックスのアーカイブ
MailStoreは、複数もしくはすべてのメールボックスを1ステップでアーカイブすることができます。 MailStoreユーザーの作成といった必要な事前準備も自動的に行うことができます。アーカイブは手動もしくはスケジュールに従って自動で実行することができます。
次の手順に従います。
- MailStore Clientに管理者としてログオンします。
- 「Eメールのアーカイブ」をクリックします。
- ウィンドウ内の「プロファイルの作成」にある Eメールサーバの一覧から、「Google Workspace」を選択します。
- アーカイブ設定のウィザードが開きます。
- 「複数のメールボックス」を選択します。
- Key IDとサービスアカウントを入力します。
4. 全送受信メールのアーカイブ
MailStore Serverでは、Google Workspaceのメールドメイン内でやりとりされた、全ユーザーの送受信メールのアーカイブが行えます。このアーカイブ方法の場合、取りこぼしのない全メールのアーカイブが行えます。
4-1. 基本的な機能
Google Workspaceでは、送受信メールや内部メールコピーを全て転送するよう設定が行えます。
2通りの方法があります。
- MailStore Gatewayを使用 (推奨)
MailStore Gateway を、Google Workspaceのルールでメール転送先とする事ができます。他のメールサービスのメールボックスの利用と比べ、元のメールは元のまま保持され、重要なX-Gm-Original-Toヘッダも保持されます。MailStore ServerはMailStore Gatewayへ一時保存されたメールデータを、定期的に取り込み、アーカイブします。 - 他のメールボックスプロバイダを使用
他のプロバイダーの提供するメールボックスをメール転送先として指定し、MailStore Serverは、転送先に一時保存されたメールデータを、マルチドロップメールボックスとして定期的に取り込みアーカイブします。ここで指定するメール転送先は、Google Workspaceのメールドメインには関連のない外部のIMAPメールボックスである必要があります。こいれは、Googleの重複メール検出機能により、同一ドメイン内の重複メールが削除されてしまう可能性があるためです。また、転送先とするメールサーバーはメールヘッダの書き換えや、特にX-Gm-Original-Toの削除や、ウィルスチェックやスパムチェックを行わないよう設定しておく必要があります。
どちらの方法であっても、転送されたメールは対応するMailStoreユーザーに自動的に関連付けされます。これにより、ユーザーはそれぞれ自分自身のメールへアクセスする事ができます。
方法1: MailStore Gatewayを使用
Step 1: MailStore Gatewayの設定を行います。
MailStore Gatewayをインストールします。インストールは、別のシステムでも、MailStore Serverと同じサーバーでも構いません。以下についてはMailStore Gatewayのインストールと初期設定を併せて参照してください:
- MailStore Gatewayのインストール
- MailStore Gatewayの管理画面へのログイン
- MailStore Gateway用メールボックスの作成
設定後、MailStore Gateway用メールボックス (例. mbx-dead1234beef5678@gateway.example.com) が生成されます。
Step 2: Google Workspaceメールドメインでメール転送の設定を行います。
次の通り設定を行います:
- Google Workspaceドメインへ管理者としてログインします。
- アプリ > Google Workspace > Gmail へ進みます。
- Gmailの設定で、ルーティングをクリックします。
- 「別のルールを追加」をクリックし、新しいルーティングルールを作成します。新しいウィンドウが立ち上がります。
- 名前を入力し、影響を受けるメールのセクションでチェックボックスを全て有効にします。
- 下の方へ進むと、「受信者を追加」という表示があるので、これをクリックします。
- 受信者欄で、追加をクリックします。
- 宛先メールアドレスへ、MailStore Gateway用メールアドレスを入力します。
- この宛先にスパムを送信しない、のオプションを無効化します。
- X-Gm-Original-Toヘッダを付与オプションを有効にします。
- 保存を押してウィンドウを閉じ、新しいルールへ設定を追加、又は保存をクリックします。
- フッターの保存をクリックします。
Step 3: アーカイブの設定を行います。
アーカイブプロファイルから、MailStore Gateway用メールボックスからアーカイブを取得する設定を行います。
MailStore Serverでアーカイブを行う前に、MailStore Gatewayからアーカイブを個々に取得したいユーザーを、予め追加しておいてください。
注意点: 各ユーザーは、プロパティ内で、個々のメールアドレスを設定しておく必要があります。このメールアドレスを使って、MailStoreはそれぞれのメールとユーザーとを関連付けるためです。
次の手順で設定を行います:
- MailStore Server管理者で MailStore Clientへログインします。
- Eメールのアーカイブをクリックします。
- プロファイルの作成で、EメールサーバーのMailStore Gatewayを選択します。
- ウィザードが起動します。
- Google Workspace をクリックし、OKをクリックします。
注意点: MailStore Gatewayメールボックスをアーカイブするには、MailStore Serverにアーカイブ対象ユーザーとそのメールアドレスが存在する必要があります。ユーザーやアドレスがない場合、 MailStore Serverがこの時点で、ユーザー連携の設定を開始し、連携完了後、ウィザードが再開されます。ユーザー連携を行わない場合は、ユーザー連携でキャンセルを押してください。 - MailStore Gatewayのホスト名、メールボックスID、パスワードを入力し、テストをクリックします。
MailStore Gatewayは正規のTLS証明書以外のものを使用している場合は、すべての証明書を受け入れる、のオプションをチェックします。 - 不明なアドレスのメール処理や、アーカイブ後にメールの自動削除を行うかどうか、といった設定を必要に応じて調整します。
注意点: ユーザーメールボックスから、追加でメールをアーカイブする場合、ユーザーのメールボックス用アーカイブプロファイルで使用するターゲットフォルダを、ここで選択しておきます。選択しておかないと、追加のフォルダがユーザーのアーカイブへ生成されます。フォルダ名は大文字小文字を区別します。 - アーカイブする前にディレクトリサービスと同期するオプションを有効にしていると、MailStore Serverユーザー一覧がアーカイブ実行前に同期されます。これにより、新しい従業員宛に送られたメールも、正しく分類され、アーカイブされます。
- 次へをクリックします。
- タイムアウト値を環境に応じて調整します。
- 次へをクリックします。
- 最後のステップで、アーカイブプロファイルの名前を設定することができます。”終了”をクリックすると 「保存されたプロファイル」の一覧にアーカイブプロファイルが表示され、必要に応じてすぐに実行することもできます。
アーカイブプロファイルの実行方法についての詳細は、製品マニュアルの「MailStoreを使用したメールアーカイブの基本」 の章を参照してください。