Qmailのメールアーカイブ
このチュートリアルではQmailで構築したメールサーバーのアーカイブについて説明しています。MailStore Serverについての詳細はカスタマーポータルのMailStore資料ダウンロードにある製品マニュアルを参照して下さい。
MailStore ServerではQmailのメールデータを複数の方法でアーカイブする事ができます。どの方法でアーカイブを行うかについては、正しいアーカイブ方法の選択を参照して下さい。
1. ユーザー情報の同期
ファイルベースのユーザーデータベースに加え、QmailをベースとしたメールサーバーではSQLデータベースやLDAPでユーザー情報の管理や認証を行う事ができます。MailStore Serverも、Active DirectoryやOpenLDAPのLDAPに対応しているため、これらを使ってMailStoreとPostfix間でユーザー情報の同期を行う事をお薦めします。
注意点:batchを使ったIMAPメールボックスのアーカイブを行う際、MailStore Serverは存在していないユーザーを自動生成します。これらのユーザー認証はMailStoreの統合認証を行うよう設定されます。
2. 個別のメールボックスのアーカイブ
QmailのようなMail transfer agentsはメールの配送と、mail delivery agentとして動作する場合には、ローカルのメールボックスに対する配送の役割しか持ちません。メールボックスの中にあるメールにMailStoreでアクセスする場合は、IMAPやPOP3サービス(一般的にmail retrieval agentと呼ばれています)がメールサーバー上へインストールされている必要があります。IMAPやPOP3でメールサーバーへアクセスできたら、MailStore Serverマニュアルを参照の上、IMAPやPOP3経由でメールボックスのアーカイブを行うよう設定を行います。
3. 1ステップで行う複数メールボックスのアーカイブ
QmailのようなMail transfer agentsはメールの配送と、mail delivery agentとして動作する場合には、ローカルのメールボックスに対する配送の役割しか持ちません。メールボックスの中にあるメールにMailStoreでアクセスする場合は、IMAPやPOP3サービス(一般的にmail retrieval agentと呼ばれています)がメールサーバー上へインストールされている必要があります。IMAPやPOP3でメールサーバーへアクセスできたら、MailStore Serverマニュアルの「Batchを使ったIMAPメールボックスのアーカイブ」を参照の上、設定を行います。
4. 送受信メールを直接アーカイブ
メールを送受信時にアーカイブするには、Qmailで、通常配信に加えて送受信メールのコピーを対象メールボックスへ振分ける事をお薦めします。これを行うためには、Qmailをコンパイルする前にソースコードを編集する必要があります。
4-1. Step 1: extra.hの編集
QUEUE_EXTRAは配送ごとに追加の宛先を指定するのに使われる、コンパイル時の引数です。この引数は通常ログを取得する場合などに使われます。
QUEUE_EXTRAを使うには、extra.hを編集し、Trecipient\0に宛先の追加を行った後、QUEUE_EXTRALEN (“\0″は1つの文字列としてカウントされます)の中のQUEUE_EXTRAを指定します。例えば:
#define QUEUE_EXTRA "Tmailstore\0" #define QUEUE_EXTRALEN 11
4-2. Step 2: Qmailのリコンパイル
Qmailが稼働していたらサービスを停止します。qmailctlスクリプトをインストールしている場合は、次のコマンドでサービス停止を行います:
qmailctl stop
qmailctlスクリプトを使っていない場合は、startup/shutdown スクリプトを使うかqmail-sendでTERMシグナルを送信します。
Qmailのソースフォルダへ移動し、次のコマンドでリビルドを行います:
make setup check
4-3. Step 3: mailstoreユーザーの準備
- /var/mailstoreをホームディレクトリとして持つシステムアカウントを作成します。
- ~alias/.qmail-mailstoreを併せて設定します:
/var/mailstore/Maildir/
最後にQmailサービスを起動します。
4-4. Step 4: MailStore Serverの設定
MailStoreで新しいメールボックスから定期的にアーカイブを取得するための設定を行います。 (例. 毎日11pm) この設定は、IMAPやPOP3のマルチドロップメールボックスのアーカイブ用プロファイルを使って行います。