メールシステムの移行や入れ替えは、少し緊張するという方が多いのではないでしょうか。移行や乗り換えの際押さえておくべきポイントを今日は少しだけ解説します。
移行手順について
sendmail, qmail, Exchangeサーバーなど、メールシステムの乗り換え/移行は、移行元と移行先のシステムや、社内環境によってそれぞれ異なりますが、大まかな順番として次のような流れになります。
- 新サーバーの設定
- ユーザー情報の移行
- メールデータの移行
- DNSサーバーの切り替え
- 新サーバーでのメール送受信
ユーザー情報の移行
ユーザーの登録も、人数によっては手動で行う場合もあるでしょうが、100人を超える規模の場合には、手動で再登録は大変です。
移行先のメールシステムで、どのようなユーザー登録方法があるか確認が必要です。
CSVからのインポート
CSV形式でユーザーを一括インポートできるメールサーバーであれば、CSVを用意すればいいのでユーザーの移行は比較的あっさり行えます。
ただ、パスワードは平文でない場合がほとんどで、元のメールサーバー側で出力できないので、パスワードの再設定を切り替え後に各ユーザーが行うケースが多いのではないでしょうか。
ActiveDirectoryやLDAPなどの認証サーバーからインポート
ActiveDirectoryやLDAPサーバーに対応しているメールシステムであれば、こちらからユーザー情報を一括でインポートできる場合があります。
この方法でユーザーを登録する場合のメリットとしては、その後のユーザー認証も、連携している認証サーバーとで行う事ができるため、エンドユーザー側で特に変更を意識せずに済むという点でしょうか。
MDaemon Messaging Serverのアカウント管理
メールデータの移行
POP3で既にメールをクライアント端末へ取り込んでいる場合は、そのままで大丈夫ですが、IMAPサーバーをお使いの場合、メールデータの移行方針を決定しておく必要があります。
メールデータは次のような方法で移行できます。
使っているメーラー上でそれぞれが移行
OutlookやThunderbirdなどのIMAP対応メーラーで、旧サーバーと新サーバーの両方をアカウントとして作成し、メールフォルダを移行させるという方法です。
各ユーザーがそれぞれで操作を行う必要があり、メーラーの変更は行わないという前提です。
旧サーバーと新サーバーのメール形式に対応している製品を使ってメールデータの変換と移行
旧サーバーのメールフォーマットと新サーバーのメールフォーマットの両方に対応しているメールアーカイブ製品を、メールデータの移行に使うケースもあります。
DNSレコードの切り替え
ユーザー情報やメールデータの移行が完了したら、いよいよDNSレコードを切り替えてサーバーの移行完了です。
グローバルIPが変わるような場合は、ドメインのDNS情報の変更も必要です。
並行稼働を行う場合の注意点
並行稼働を行う場合は、その間に旧サーバーで受信したメールを新サーバーでどのように取り込むかを、検討しておく必要があります。MDaemon Messaging ServerのMultiPOP