元々、情報セキュリティ対策やコンプライアンスを目的に注目が集まったメールアーカイブではありますが、”何かあった場合の為の保険”という目的に加え、”せっかくのアーカイブなのだから戦略的に業務で活用したい”というニーズも当然ながらあります。
業務で活用するためのアーカイブを『アクティブアーカイブ』と呼んでいます。
こちらでは、具体的なアクティブアーカイブの例を幾つかご紹介します。
アクティブアーカイブの例
- メールサーバーの負荷を減らすため、3年以上前のメールはメールサーバーから別のサーバーへ移動させ、ユーザー毎に閲覧できるようにしたい。
- 社内のメールサーバーがWindowsとLinuxの混合環境である事に加え、SaaSなど異なるシステムが混在しているため、メールデータを一カ所に集めてエンドユーザーの運用を楽にしたい。
- 個々のユーザーがメールでやりとりしている「受発注情報」だけを通常のメールボックスとは別のところに保管しておき、パソコンの故障や業務の引継ぎでも利用したい。
アーカイブ製品選択のポイント
上記のようなニーズに対して、製品を選択する際、何を基準にしたらいいのか、選定ポイントをご紹介します。
クライアント向け検索機能
例えばメールサーバー内の古いメールをアーカイブサーバーへ移動して保管した場合、エンドユーザーとしては、通常アクセスしているメールデータとは異なるデータへアクセスする必要が生じてきます。ここで、「今までの運用の方がよかったのに!」と思われてしまっては、アーカイブの利用が浸透しません。そこで、アクティブアーカイブで重要視するポイントの1つ目は、アーカイブデータの検索機能です。検索対象として、本文だけでいいのか、添付ファイルの中身も検索対象とするのか、等も、事前に決めておくと検討しやすくなります。
アーカイブデータを複数サーバーで管理したり、複数個所へ分散させる事ができる製品もありますが、この場合に、検索方法や検索速度にどのような違いが生じるのかも、事前に確認しておくようにしましょう。
検索性能は、データのインデックス方法によっても大きく変わってきます。添付ファイルをインデックスできるのかどうかや、インデックス対象をどこまでカスタマイズできるのかも、後の運用において重要なチェックポイントです。インデックス対象を拡張子別に選択できるMailStoreのご紹介
クライアントからのアクセス方法
ブラウザ経由での管理画面や専用エージェントに加え、普段使用しているメーラーからもメールアーカイブのデータへアクセスできるようなら、エンドユーザーが感じる違和感を最小限に留められるので、メールアーカイブ製品の導入がスムーズに行えます。
アーカイブデータのリカバリ方法
アーカイブされたデータを、エンドユーザーがどの位簡単に、元のメールデータとして使う事ができるのかも、事前に必ず確認しておくべきポイントです。
対応しているメールサーバーとメールボックス形式
複数システムのデータを一カ所にまとめようとすると、必要になるのは、これら複数データ全てに柔軟に対応したアーカイブサーバーという事になります。対応しているメールサーバーがどの位あるのかや、対応していない場合にはどのようなメールボックス形式に対応しているのか、を、確認しておくと、運用がイメージしやすいのではないでしょうか。
権限設定の柔軟性
業務の引継ぎにメールアーカイブのデータも利用したい、といった場合、例えばユーザーAがユーザーBのデータへアクセスできるようにする、等、アクセス権を柔軟に設定できるかどうかも、アクティブアーカイブのためには重要なポイントです。
部署異動や社員の入れ替わりが激しい組織においては、ADやLDAPなどのユーザー情報を同期できると、ユーザー情報が自動更新され、運用が煩雑になりにくくなります。
アーカイブデータ毎に管理者権限を特定の部署へ持たせる、といった、アクセス権を柔軟に細分化できるかどうかも、大きな組織であればある程、重要なポイントになってきます。