裾を少しだけまくった細身の黒パンツからちらと見せる靴下。
靴は定番のキャンパスシューズにしようかと考えたけど、
今日は少し大人びた雰囲気でいこうと黒のブーツを選択。
シャツは白黒の長袖ボーダーにして、ハットも黒で合わせよう。
だけど、遊び心は忘れない。
白と黒を中心としたコーデに思い切って真っ青のロングコートを羽織る。
鞄は日本製かばん会社の質感より、
使い古した感のあるよれよれのフェイクレザーの肩掛けに決定。
口髭の調子も良さそうだ。
さぁ、出かけよう!
家を出てまもなく、近所の女子高生二人組に笑われた。
「カッコワルイ」
「シネッテカンジ」
女子高生達は、私の服装をみて憐れんでいる様子。
そんな彼女の服装は、柔軟でかつ丈夫な、
釘を打っても破れないというガルシア社が開発した
新素材でできたグレイの全身タイツを頭までスッポリと被り、
その上に制服のブレザーとスカートを重ねている。
顔には水中で使用するゴーグルのようなものを付け、
温度やら湿度やらが忙し気にピコピコと表示されている。
流行というものはいつもそうだ。
新しいだの、誰それが着ていたからだの、皆が皆、
同じような格好をして何が面白いというのだ。
女子高生の一人なんて、タイツを着た頭の上に、
スポンと青いカツラを被っている始末。
これがお洒落と言えるのだろうか。
だから私は憐みを込めてこう言ってやったんだ。
「100ネンマエノチキュウノファッションガワカラナイナンテ、カナシスギル」
以上、第47回マッソー斎藤の今夜もプロテインでした。
次回、冬雨の海の誘い<イザナイ>(未定)