第3話 やる気

やる気が出ない。

意欲が湧かない。

変わらぬ日常には飽き飽きだ。

そのような感情は、赤さんが泣いて母親を呼ぶのと同じくらい、

誰にでも生まれ出るであろう当たり前のものだ。

そんな時、貴方ならどうしますか?

 

 

 

 

気分転換に普段歩かない道で岐路に着いてみたり、

お気に入りの洋服でテンションを上げようと必至になってみたり、

何か新しいことにチャレンジでもしようと山登りについて調べてみたり、

YouTubeを巡ってみたり、好きなアーティストの歌をエンドレスリピートしたり、

カラオケで発狂してみたり、酒に溺れたり、異性に溺れたり、

小池百合子知事の政治塾「希望の塾」に参加しようかと悩んで、止めてみたり

まー方法はなんでもいいんですけれど、

その一歩が踏み出す勇気がでないという事実も、多聞にしてあるのではないでしょうか。

マッソー?

マッソーは慌てず、コーヒー豆を挽いて(無論石臼で蕎麦のように挽くのだが)、

暖かい湯でドリップし、隠し味にプロテインなどをドロップし、

左手の小指でそっとかき混ぜてから、愛おしそうに小指をねぶり

右手でそっとカップを持ち上げ、その芳醇な香りを楽しみながら、

合わせて左手も上げ、誰にもバレナイようにダブルバイセプスるんだ。

そう! コーヒー飲んでないよねっ☆

マッソーが言いたいのは、そんな時でも「慌てない」ということなのさ。

 

 

そんなマッソーでも、是非にとも見習いたいくらいの、

やる気に満ち溢れた表情を見せてくれた人がいたので、ここで紹介したい。

商店街のスーパーの前でたむろする4人のおばさま集団の中のその一人。

その人は、もちろんおばさまだ。

いや、4人の中でも一際若いと思われる風貌を要していて、

おばさまというのは失礼にあたるのかも知れないので、

ここではそのおばさまを『』と呼ぶことにする。

くだらない、笑えもしない、他人の家庭事情などどうでもいい、

芸能界の浮気や不倫の話題など話していても何の価値も見い出せない状況に、

こんなことをしている暇があったら、掃除、洗濯、炊事、いや、

上腕二頭筋と上腕三頭筋のスーパーセットでもしていた方がよっぽどマシだ、

は考えていたに違いない。

その刹那である。

は集団から顔を背け、何を思ったのか、なんと、

くわぁ~、と大きな欠伸(あくび)をやってのけた。

それはそれは、まるごとレモンが入っていまうほどの大口であり、

呆気にとられたのはむしろマッソーという次第であった。

そして、目が合う、とマッソー。

約1.5秒の静止した世界の果てに、の口元がにやりと緩んだのだ。

それはマッソーに向けた羞恥の表れなどではなく、

自身の心の強い決意の表れだったに違いない。

はおもむろにスマホで時間を確認し、一言二言残すと、

そそくさと自転車の籠に買い物袋を入れてその場を離れていったのだ。

欠伸とは、にとって、「やる気スイッチ」であったのに違いない。

欠伸とは、人間にとって、沢山の空気を体の中に取り込んで、

さあ何かをやろうという助走、それはつまり強い意志の表れなのだ。

 

例えば、社内で欠伸をしている新入社員がいたとしよう。

そんな時先輩である貴方は、新入社員の癖に生意気だ、と思うに違いない。

このクソガキが、てめぇは何の責任も感じないで仕事という名の暇潰しをして

いるんだろうけどな、てめぇのケツまで拭かされるこっちに身にもなってみろ。

貴方の脳に血液が集中し、おでこの血管を浮かび上がらせて、

新入社員に近づくと、その緊張で震えた右腕でおもむろに新入社員のお尻を……

 

ちょっと待ってください。

そんな時、貴方は新入社員にこう声をかけてあげるのです。

「君、凄いね!

脳を使いすぎているから、それを冷やす為に欠伸が出たんだよね。

私なんて、さあ寝よう、と思う就寝前にしか出ないものだから、

仕事のことばかり考えるが故に欠伸が出る君を、私は尊敬するよ。

あ、そうだ、今度の昇進試験、私から上司にしっかり話しておくから。

仕事中に欠伸ばかりしている君はきっとオリンピアで優勝間違い無しだね」

ほら不思議。

誰を傷付けることもなく、立ちどころに全てを解決してしまいました。

 

そんな訳で、今日の気づきは、欠伸はやる気、です。

マッソーはダンベルなどをしながら、このブログなどをしたためているのです。

もちろん、何にも慌てずに、大きな大きな欠伸をしながらね!

 

 

以上、第三回マッソー斎藤の今夜もプロテインでした。

次回、ダンベルフライで舞うドンフライ!(未定)

 

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