MDaemonサーバv13.Xリリースノート

MDaemon 13.5.0 - 2013年 6月 18日

特記事項

  1. MDaemon の BlackBerry Enterprise Server(以下、BES) では、BlackBerry OS 10 の端末をご使用頂けません。BlackBerry OS 10端末は、MDaemonのActiveSyncサーバ機能から管理を行なうか、BlackBerry社から直接提供されている管理ツールを使ってご使用ください。MDaemon の BESは、BlackBerry OS 7以前の端末を対象としており、BlackBerry OS 10以降には対応しておりません。これは、新しいBlackBerry端末が従来のBESテクノロジーからの移行が行われているためです。
  2. [11236] ActiveSync for MDaemonのライセンスに変更が加わり、ライセンスサイズとソフトウェアライセンス更新が必要となりました。Alt+M | ActiveSync | アカウント 画面から ActiveSync を使用できるアカウントの管理が行えます。この画面とActiveSyncサーバ画面を使って、ActiveSyncを使用できるアカウント、ドメインの調整やオプション設定を行います。
  3. [10156] Ctrl+S | SSL & TLS | STARTTLS要求リストでの動作を変更しました。ここへ登録されたホスト名とIPアドレスとの通信においては、受信と送信のいずれにもTLS通信することを必須としました。これまでは、送信する接続にだけ使われていました。IPアドレスの指定では、CIDR指定も行えるようになりました。
  4. [10500] これまでのMDaemonでは、ドメインが削除された際にも対応するドメインのパブリックフォルダは残していました。F2 | サーバ設定 | パブリックと共有フォルダに追加されたオプションでは、残すか一緒に削除するかの選択が行えるようになりました。デフォルトでは、ドメインが削除された際にはそのドメインのパブリックフォルダを残す意味がないとして、削除されるようになっておりましたが、この新しいオプションで残す選択もできるようになりました。
  5. [5597] このバージョンでは最初の起動時に、WEBACCES.DAT から、これらの構成設定により適した場所である、アカウントのHIWATER.MRKファイルへアカウントの設定が移行されます。WEBACCES.DAT ファイルは使用されなくなり、この移行処理の中で削除されます。また、Ctrl+T | アカウントの作成 | ウェブサービス の設定は、新規に作成されたアカウントにのみ適用され、既存のアカウントへは影響しなくなりました。新しく追加された"インストールのデフォルトへリセットする"ボタンはこのページの全ての設定をインストール時のデフォルトへ戻します。この画面と、アカウントの編集 | ウェブサービス の画面のいくつかの用語が若干変更されました。
  6. [6814] NoComd.datファイルの内容を変えました。これまで設定により、MDaemonが処理できないコマンドを含んだコマンド発行メールの送信者に対して、自動応答機能と同様にこのファイルのコンテンツが送信していました。このファイルには、ヘルプファイルへのアクセス方法など、ローカルユーザーにしか利用できない内容となっておりました。新しいNoComd.datファイルには、こうした内容が含まれておりません。例えば、NoCommand.datファイルの編集を行うことで、ローカルユーザー以外のユーザーに対して、購読(SUBSCRIBE)あるいは購読解除(UNSUBSCRIBE)といったメールの送信方法を送れるようになりました。もし、これまでに編集したNoComd.datがある場合には、バックアップ、もしくはインストール処理中に作成されたバックアップから、その内容をNoCommand.datへ移動してください。
  7. [10419] MDaemon の添付ファイルリンク機能による、メールに含まれる添付ファイルの展開先として、アカウントのFILESフォルダへの展開を行わないようになりました。このフォルダにアクセスできる環境が稀であるためです。その代わりに、このオプションはWorldClientから参照できる、各アカウントのドキュメント IMAPフォルダへ添付ファイルを展開するようになります。すでにある各アカウントのFILESフォルダは、ファイルがある場合そのまま残されますが、今後 MDaemonがこのフォルダを使用することはありません。その一環として$FILEDIR$マクロも廃止されました。また、アカウントを編集 | 添付ファイル の画面と Ctrl+T | アカウントの作成 | ウェブサービス の画面内の表示テキストも更新されています。
  8. [10340] ログのカラー表示(詳細は後述)モードの際、ログファイルのフォーマットが変わります。ログファイルの各行にあるタイムスタンプの直後には、2桁のカラーコードが含まれるようになります。。
  9. [10269] 一つ以上の宛先ドメインのMXホストから配信セッションの初期段階で、一時的なエラーを受けたとしても、MDaemonは 5XXエラーのエラーメッセージを返すことはなくなりました。これは、宛先ドメインサーバが次のキューの処理では正常になっているという前提に基づくものです。ただし、スマートホストを使用していて、かつスマートホスト側でMDaemonサーバからの受信を拒否している場合には、都合が悪い設定となる可能性がありますが、通常行われることのないケースと思われます。新しい機能が追加され、F2 | 設定 | 配信 において、"スマートホストから 5XXエラーを受信した際、メッセージを返信する" という機能が追加され、こうしたメッセージを返信できるようになりました。メッセージを返信しない場合には、通常通りリトライキューの一部として処理されます。もしも、宛先ドメインのMXレコードすべてから 5XXエラーを受け取り、かつスマートホストからも 5XXエラーを受けた場合、メッセージは送信先がなくなるため、設定によらず送信者へ戻されます。
  10. [10839] 正規のアカウントがメーリングリストからエラーで戻ってきたメールを受信するよう、誤って設定する事は多く、その結果でメーリングリスト関連メールの削除操作が、メーリングリストと関係ないメールの削除に繋がってしまう事は多々あります。このような無意識での誤操作を防ぐため、次の2つのオプションに関して、警告メッセージの内容とデフォルトの設定値をアップデートしました:Ctrl+O | 初期設定の 「リスト整理で解析可能なアドレスがない場合メッセージを削除」を「はい」から「いいえ」へ変更しました。また、Ctrl+O | 初期設定の「リスト整理でリストメンバー削除から発生するメッセージを保存」を「いいえ」から「はい」へ変更しました。お使いの環境や要件に応じて、この値を変更して下さい。

主な新機能

[10124] ACTIVESYNCの強化とアップデート (MDaemon PROが必要です)

ActiveSyncサーバーがActiveSyncプロトコルのバージョン12.1, 14.0, 14.1に対応しました。これによりActiveSyncサーバーが、より幅広い端末や、Outlook 2013を含むより多くのアプリケーションと通信できるようになりました。この機能強化やそれに伴う変更は大きいものではありますが、そのほとんどはActiveSyncサーバーエンジン内部で吸収しております。今回のアップデートにより、ActiveSyncのポリシー機能が新たに拡張され、デバイス管理全体の機能強化を図る事ができました。従来通り、MDaemonのActiveSyncサーバーは別ライセンスとなっておりますが、1回無償でお試しいただける評価期間が設けられています。評価期限を過ぎましたなら、MDaemon ウェブサイトや代理店からライセンスをお求め頂けましたら、それまでの設定を引き継いでご使用頂けます。この他、次のような変更点があります:

[10521] Alt+M | ActiveSync | ポリシー の設定画面に見直しをかけ、新たに数多くのActiveSyncポリシー要素を定義できるようになりました。これにより、過去のバージョンに比べて、新たに様々な使い方ができるようになります。ただ、これまでと同様、特定の端末ではポリシー要求を受け付けないものもあったり、端末で稼働しているOSのバージョンや端末固有の問題等で、この新機能がご使用頂けない場合もあります。

[10478] Alt+M | ActiveSync | オプション の設定画面へ新しいコントロールを追加し、利用実績のない端末を指定した日数経過後、MDaemonから登録を削除する機能を搭載しました。この値のデフォルトは0(しない)となっておりますが、端末からMDaemonへの接続が数カ月間(又は任意の期間)なかった場合に、自動的に端末の登録を削除したい場合には、ここで日数を指定します。登録が削除されると、過去の設定や接続履歴も初期化されます。MDaemonでは、日次に行われるクリーンアップ処理の一環として、全ての登録端末の利用状況を確認します。

[9240] ActiveSyncサーバーとSyncMLサーバーの設定画面の使い勝手を向上させ、ドロップダウンリストから対象ドメインを選択した際、都度保存ボタンを押さなくても良いようにしました。設定した内容を一時保持し、OKボタンを押した際にすべてを保存し、キャンセルボタンを押した際には破棄します。

[10477] Alt+M | ActiveSync | 統合アカウント の設定画面を、リストボックス形式からツリービュー形式ベースとしたダイアログへ、そして「デバイス」へと名称変更しました。また、BESやBISの「統合アカウント」画面も再編成され、それぞれ「デバイス」「購読者」へと名称変更しました。

[10479] Alt+M | ActiveSync | デバイス とアカウントエディタ | ActiveSyncデバイス のそれぞれにあった「削除」ボタンは「デバイスの登録削除」と、実際の動作へ即したものへと変更しました。このボタンが押されると、ActiveSyncサーバーはそれまでの設定や該当デバイスのアクセス履歴を初期化します。

[10692] ActiveSyncがデバイスID、デバイスタイプ、デバイスOSを元にしたホワイトリスト/ブラックリストに対応しました。加えて、管理用の新しい画面がAlt+M | ActiveSyncへ追加されました。今後は、デバイスのIDや種類、OSを元にブラックリストやホワイトリストを使用する事ができます。

[9508] ActiveSyncサービスの有効化/無効化を行うオプションを、アカウントエディタ | オプション から アカウントエディタ | メールサービス へ移動しました。

[10811] Alt+M | ActiveSync | 制限 の設定画面でユーザーエージェントとデバイスタイプを指定し、指定した値と同じ値を持つデバイスに対して、ActiveSyncのバージョンを制限する機能を追加しました。

[9358] 添付ファイルリンクの強化 (MDaemon PROが必要です)

MDaemon の添付ファイルリンク機能が送信メッセージにも対応しました。これまで、この機能は受信メールに対してのみ利用できる機能でした。新しいオプションが、アカウントエディタ | 添付ファイル 画面に追加され、この機能をユーザー毎に有効化できるようになりました。このオプションは添付ファイルリンク機能と連動しているため、ユーザーが添付ファイルリンク機能を利用するには、システム全体として添付ファイルリンク機能自体が有効になっている必要があります。ユーザーがメールを送信すると、添付ファイルリンクはメールから添付ファイルを取り出し、サーバ内に保存し、その格納場所を示すURLへ置き換えます。このURLはカスタマイズする事もできます。また、Ctrl+W | 添付ファイルリンク画面で設定できる新しい機能として、添付ファイルを保持する最大日数を指定する事ができるようになりました。MDaemonが日次で実行するクリーンアップ処理の一環として、添付ファイル格納ルートフォルダからサブフォルダに至るまで、指定日数を超えたファイルを削除していきます。この処理は、添付ファイル格納フォルダが、デフォルトの \Attachments\ のままご利用頂いている場合のみ有効で、添付ファイルの格納先を別のフォルダへ変更されている場合には機能いたしません。このオプションは、これまでの動作を引き継ぐため、デフォルトでは無効(0と設定)となっています。添付ファイルリンクについての詳細はユーザーマニュアルを参照して下さい。さらに、最適な処理を行うために内部的にも磨きをかけ、「text/plain形式の添付ファイルを展開する」オプションは「"text/plain"形式でエンコードされた添付ファイルも取り出す」へと、より実際の動作に即した名前に変更しました。

[9359] 新しい添付ファイルリンク用のオプションが Ctrl+W | 添付ファイルリンク 画面に追加され、指定したサイズよりも小さいサイズの添付ファイルは取り出さないようにできるようになりました。このオプションを使うとMDaemonは小さいサイズの添付ファイルはそのまま通し、大きいサイズの添付ファイルだけを添付ファイルリンクの対象とすることができます。このオプションは、これまでの動作を引き継ぐため、デフォルトでは無効(0と設定)となっています。この実装を行なうコード変更の結果、次のマクロは不要となり、以後は使用されなくなります: $ATTACHMENTCOUNT$, $ATTACHMENT(x)$, $ATTACHMENTS$

[10414] 添付ファイルリンクは (存在する場合には)MIMEヘッダ内で指定されているファイル名を使用します。ただし、ファイル名が50文字を超える場合には、最後の50文字のみ使用されます。ファイル名に拡張子が付いていない場合には、「.att」が拡張子として追加されます。(MDaemonが何らかの拡張子を必要とするためです。)

[10497] ドメインマネージャーの強化

Alt+F2 | ドメインマネージャーを強化しました。これまで1つの画面に全てのドメインを表示しておりましたが、ドメイン毎に個別で表示できるようにしました。さらに、ドメインの作成、削除、名前変更のしやすいオプションも追加しました。他のGUI画面での設定画面にあった、対象ドメインを指定するのではなく、ドメインマネージャを強化しました。結果として、F2 | デフォルトドメインとサーバー にあった、デフォルトドメイン関連の設定がなくなりました。そのため、メニューの名称は、F2 | サーバー設定と変更しました。MDaemonはプライマリ/セカンダリドメインという概念は持たなくなりますが、お持ちのドメインの内から1つはデフォルトドメインとして、ご選択頂く必要はございます。デフォルトドメインはサーバーエンジンが(今後はもうあまり使われることはありませんが)処理において、適切なドメインを特定できない時に使われます。ドメインマネージャーには、デフォルトとするドメインを簡単に選択できるボタンが用意されております。なお、デフォルトのドメインは削除できません。

[9303] F2 | ドメイン署名 (text/plain)と F2 | ドメイン署名 (text/html) 画面を削除し、F2 | デフォルト署名 へ置き換えました。この設定画面では、1つの画面の中で、両方のタイプのドメイン署名の編集や確認が行えるようになりました。ドメインマネージャーにも、ドメイン毎に、これと同じ設定画面を追加しました。

[4536] この新しいドメインマネージャー画面から、ドメイン毎に異なるスマートホスト関連の設定を行えるようになりました。F2 | サーバー設定 | 配信 の画面には、メッセージのルーティングタイプを選択をできるようになっております。スマートホストの利用にあたっては、適切なメッセージルーティングオプションをここで選択する必要があります。また、デフォルトのスマートホストの設定は、スマートホストの指定がないドメインが使うことになります。デフォルトのスマートホストはF2 | サーバー設定 | 配信 から設定できます。

[10896] 「スマートスプーフィングを使用する」のオプションが F2 | サーバー設定 | 配信 の設定画面から削除されました。

Ctrl+W | WorldClient (webメール) 画面にあった多くの設定から、ドメイン選択のドロップダウンボックスがなくなり、ここでの設定はこれから新たに作成されるドメインのデフォルトとして使われるようになりました。この画面にあった設定項目は、ドメインマネージャーから各ドメインへ設定できるオプションとなりました。

[10008] パブリックフォルダマネージャ (MDaemon PROが必要です)

これまでのGUIでは、パブリックフォルダの数が多くなった場合、管理するのが大変でした。新たにGUIは改善され、Alt+Pから呼び出すこともできます。F2 | サーバー設定にあった、これまでのパブリックフォルダ管理用のGUIはなくなりましたが、「パブリックと共有フォルダ」という全体オプション設定は従来通りあります。

[5920] パブリックフォルダマネージャーでは、パブリックフォルダへ指定する投稿アドレスが、他のパブリックフォルダで既に使われていないかをチェックするようになり、加えて、投稿アドレスの値が正しいメールアドレス形式になっているかもチェックするようになりました。

[10427] グループとアカウントテンプレートの改良

グループ機能は様々な点で改良されました。まず、新しいGUIには、Ctrl+Tが割り当てられ、グループ管理を行ない易くなりました。次に、グループに対してアカウントテンプレートを割り当てることもできるようになりました。アカウントテンプレートは、アカウント設定毎に名前を付ける事ができ、管理画面には Ctrl+Tまたは アカウント | グループとテンプレートからアクセスする事ができます。3つ目に、アカウントエディタ | メールフォルダとグループ の設定画面が設けられ(他にも、アカウントエディタにはいくつかの改善がされています)、この設定画面からアカウントに対して1つ以上のグループを割り当てることができます。これまでのGUIにあった、「新規アカウントのデフォルト」画面はなくなり、新しいアカウントには、アカウント作成時に「新規アカウント」のアカウントテンプレートが自動で適用されます。「新規アカウント」テンプレートは特別なテンプレートで名称変更や削除は行えませんが、編集は行えます。このテンプレートがこれまでの「新規アカウントのデフォルト」に相当します。

この新しいグループを使うことにより、アカウント設定のほとんどを自動的に行なうことができます。例えば、特定の自動応答の設定を複数のアカウントへ割り当てたい場合、まず自動応答の設定をしたテンプレートを作成し、テンプレート名をつけます。次にグループに対してこのテンプレートを割り当てます。最後に、アカウント群に対してこのグループを割り当てます。この適用のタイミングで、テンプレートはアカウントへ自動応答の設定を適用します。テンプレートはアカウント設定のほとんどすべてをコントロールする事もできますし、選択した部分だけをコントロールすることもできます。アカウント設定のどの部分をテンプレートとするかは、要件に応じて選択する事ができます。アカウントがグループに属していて、グループがアカウントテンプレートを持っている場合、アカウントテンプレートで定義されているアカウント設定は、アカウントマネージャの中では無効化され、アカウント設定がグループで管理されていることを知らせるメッセージが表示されます。アカウントテンプレートを編集すると、グループのメンバーとなっているアカウントの設定も自動的にアップデートされます。グループのアカウントテンプレートを、別のアカウントテンプレートへ変更したり、グループやアカウントテンプレートを削除すると、関連するすべてのアカウント設定も自動でアップデートされます。グループには新たに(1-1000の)「優先度」を設定できるようになりました。アカウントが複数のグループのメンバーで、各グループの持つアカウントテンプレートの、アカウント設定が相反する設定内容になっている場合、最も値の少ない優先度の値を持つグループの設定が適用されます。相反する設定や矛盾する設定がない場合は、それぞれのグループのアカウントテンプレート設定がすべて適用されます。優先度が同じグループ間で設定が相反する内容であった場合は、最初に適用されたグループの設定が適用されます。アカウントがグループから外されると、グループで管理していたアカウント設定は無効化され、複数のグループへ所属しているアカウントの場合は、別のグループのアカウントテンプレートが適用されます。

[8381] グループでは、アカウントテンプレートとは別に、ComAgentの無効化や、インスタントメッセージ機能の無効化を指定することができます。

[10450] MD_UserInfoで定義されているグループの数を増やし、これまで以上に個々のアカウントが多くのグループメンバーになる事ができるようになりました。

[9715] グループ設定画面では、Active Directoryのグループを指定できるようになりました。MDaemon上のグループをActive Directoryのグループと連携させることで、Active Directory上のグループメンバーに変更があると、自動的にMDaemonのグループにも反映されます。この機能は、Active Directory監視機能を利用している場合にのみ有効です。MDaemonのグループへアカウントを取り込むためのトリガーとして任意のAD属性を割り当てることができますが、一般的には「memberOf」のAD属性が使われます。この設定はActiveDS.datファイルをメモ帳などのエディタで直接編集して行えます。この機能はデフォルトでは無効となっており、有効にするには、ActiveDS.dat を編集し、MDaemonにどのAD属性を使うのかを知らせる必要があります。最も一般的な属性であれば、ActiveDS.datの「Groups=%memberOf%」をコメントアウトして下さい。

[6790] 多言語対応したCOMAGENT

ComAgent において、複数の言語のサポートするようになりました。各言語のComAgentを含む、各言語のMDaemonにおいて、すべての言語が使用できるようになりました。現在、MDaemonでは、英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語、日本語、ポーランド語、オランダ語、ポルトガル語、ロシア語、スェーデン語、タイ語、中国語が使用できます。ユーザーは、ComAgentの設定ダイアログから、使用する言語を選択することができます。ComAgentでは更に、インスタントメッセージやファイル転送において、インターナショナルな文字の使用もできるようになりました。

[10340] セッションログのカラー表示

ルーティング, SMTP-in, SMTP-out, IMAP, POP, MultiPOP, DomainPOP の状態を表示するためのGUIタブにおいて、セッション内のそれぞれのイベントを視覚的に識別しやすく、カラー表示できるようになりました。新しい「メールのセッションログをカラー表示にする」オプションが、F2 | ロギング | オプション 画面に追加されました。この設定は、Ctrl+O | GUI 画面からもおこなって頂けます。このオプションはデフォルトで無効になっています。デフォルトのテキストカラーはLogColors.datファイルで以下のように変更することができます:

[Colors]

Background=0x000000 背景色; 黒
SelectedBackground=0xff0000 選択した背景色; 青
Default=0xffffff デフォルトの文字色; 白
Processing=0x00ffff 内部処理情報; デフォルトは黄色
DataIn=0x008040 他のサーバーからの受信データ; デフォルトはダークグリーン
DataOut=0x00ff00 他のサーバーへの送信データ; デフォルトはブライトグリーン
Error=0x0000ff エラーメッセージ; デフォルトは赤
TCPIP=0xff8000 TCP/UDP/DNS/PTR 関連処理; デフォルトはライトブルー
SpamFilter=0x0080ff Spam filtering; デフォルトはオレンジ
AntiVirus=0xdda0dd AntiVirus処理; デフォルトはプラム
DKIM=0xff00ff DomainKeys、DKIMアクティビティ; デフォルトは赤紫
VBR=0x40c0ff Vouch by Referenceアクティビティ; デフォルトはライトオレンジ
SPF=0x0808080 Sender Policy Frameworkアクティビティ; デフォルトはグレー
Plugins=0x0080c0 プラグインからのメッセージ; デフォルトはブラウン
Localq=0x00ffff ローカルキュールーティング; デフォルトはイエロー
Spam=0x0080ff スパムメッセージルーティング; デフォルトはオレンジ
Restricted=0x40c0ff 制限されたメッセージルーティング; デフォルトはライトオレンジ
BlackList=0x808080 ブラックリストに登録されたメッセージルーティング; デフォルトはグレー
Gateway=0x00ff00 ゲートウェイメッセージルーティング; デフォルトはライトグリーンー
Inboundq=0xff8000 受信メッセージルーティング; デフォルトはライトブルー
PublicFolder=0xdda0dd パブリックフォルダメッセージルーティング; デフォルトはプラム

カラー表示は行なうものの、上記の要素の中で色を付けたくないものがある場合には、対象の要素を0に設定して下さい。例えば:SpamFilter=0 (デフォルトカラーを使用します)。注意点として、この設定は背景色や選択した背景色には使用できません。もしもこれら2つの色を変更する場合には、新しい色の値を指定する必要があります。色の指定は 0xbbggrr でbbはブルー、ggはグリーン、rrは赤、といった指定での16進数で定義します。16進数でのカラーコードの一覧はオンラインにたくさんのサイトがありますので、そちらを参照して下さい。行なった色の変更を反映するには、MDaemonを再起動するか、COLORS.SEMファイルをAPPフォルダ内に作成して下さい。メインGUIは、リアルタイムでログの色分けを行いますが、コンフィグレーションセッションの場合は、ログファイルをディスクから読み取るため、タイムラグが生じます。MDaemon 13.5.0以前に作成されたログファイルは、カラー表示することはできません。

属性に指定された色の使用にあたっては、ウィンドウの初期化が必要となるため、設定の反映には、MDaemonサービスの再起動が必要となります。

[9579] ACTIVE DIRECTORYモニタリングの改善 (MDaemon PROが必要)

ActiveDirectoryへ定期的な問い合わせを行い、ActiveDirectoryに保存されている最新の情報から、パブリックの連絡先を更新し続けるよう、Active Directoryモニタリングが改善されました。アカウントの住所や電話番号、ビジネスコンタクト情報などの共通フィールドはパブリック連絡先のレコードに格納され、このデータはActive Directory上で変更される度に更新されます。数多くの連絡先レコードフィールドがこのようにしてモニタリングされます。Active Directoryの属性にマップされるパブリック連絡先レコードフィールドの完全なリストは、ActiveDS.datファイルのコメントを参照してください。また、この機能を利用するにあたっては、必ずしもActive Directoryアカウントモニタリング機能まで使う必要はありません。Ctrl+U | Active Directory | モニタリング 画面において、この機能を使うための独立した新しいスイッチを追加しました。

ActiveDS.datファイルには、連絡先レコードフィールドから1つあるいはそれ以上のAD属性を指定することができるように、いくつかの新しいマッピングテンプレートを持つようになりました。(例えば、フルネームフィールド向けの%fullName%、住所向けの%streetAddress% などです。) これらのマッピングテンプレートの多くは、MDaemon社のActive Directoryサーバーで正しく値を表示できることを確認し、デフォルトの設定としておりますが、お使いのユーザー環境によっては異なる表示となる可能性もあります。我々がActiveDirectoryのエキスパートではない為、いくつかの連絡先フィールドについては我々のActive Directoryで適切な属性を見つけることができませんでした。とはいえ、それらの情報は広く提供されているため、必要に応じて使用することができます。MDaemon 13.5.0を初めて起動したい際には、これらの変更点を反映するためにActiveDS.datの移行が一度だけ実行されますが、このファイルに対して既に行われていた編集内容が失われることはありません。

MDaemonからはActive Directory内で行われた連絡先レコードの更新を知るために、アカウントのEメールアドレスをActive Directory内のいくつかの属性と一致させる必要があります。一致するものが無い場合には、何も行ないません。デフォルトで、MDaemonはActive Directoryのデータを元に実際のアカウントを作成したり、削除したりする際に、MDaemonが内部的にデフォルト(プライマリ)ドメイン名へ追加するために、メールボックステンプレート(ActiveDS.datを参照してください。) へマップされた属性から取得したデータを使用してEメールアドレスを構成しようとします。そうではなく、ActiveDS.dat内の"abMappingEmail"テンプレートのコメントを外すことで、希望するどのAD属性とも紐づけることができます。(例えば、%mail% ) ただ、MDaemonはこの属性の値には、有効なローカルユーザーアカウントとして認識できるEメールアドレスが含まれていることを前提としていることにご留意ください。

隠しフラグが設定されたMDaemonアカウントは、連絡先レコードの作成や更新が行われる対象となりません。この新機能では、連絡先レコードが存在しなければ作成し、存在していれば内容を更新します。また、Active Directoryが持つ情報以外の、レコード内容の変更は任意に行えますのでご安心ください。マップされていない連絡先レコードの内容は、そのままの状態が維持され、この処理によって修正されたり消されてしまうということはありません。最後に、Active Directory関連のGUI画面はわずかに変更され、コード全体にわたって幾分最適化されたため、Active Directoryへの問い合わせのデフォルトを10秒毎(変更も可能)とし、範囲を絞ったActive Directoryコンテナではなく、ルートに問合せた場合にその効果を感じて頂けるかと思います。(そうでない場合もあります。)

[10017] Active Directoryモニタリングは、アカウントのエイリアスの値を更新するようになりました。以前までは、アカウントのエイリアスは、アカウントが最初に作成された時にだけActive Directoryから取得していました。そのため、その後にActiveDirectory上での変更で、置き換えられたかもしれない古いエイリアスを削除するわけにもいかず、ActiveDirectory上以外で作成されたエイリアス(更に、ユーザーが一つ以上のエイリアスを持つ)の可能性もあるため、これまでのエイリアスの値の更新までは行わないことにご留意ください。これは、時間の経過とともに、使用されていないエイリアスが残ってしまう可能性があるのですが、仮にそうであってもそれ自体には害はなく、必要に応じてエイリアスの編集画面で削除することができます。

[10476] Active Directoryのモニタリング機能が、属性の値全体のセットに対して、テストとログへの記録が行えるようになりました。これまでは、セットの最初の部分においてのみ、テスト/ログ記録が行われておりました。

[5728] パフォーマンスカウンター

パフォーマンスカウンターが、リアルタイムにMDaemonのステータスをモニタリングできるようになりました。各種プロトコルのアクティブなセッション数やキュー内のメッセージ数、サーバーの有効/無効のステータス、MDaemonの稼働時間、セッションとメッセージの統計用のカウンターが用意されています。

変更点と新機能

修正点

MDaemonn は、 MDaemon Technologies, Ltd の登録商標です。
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