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POP, IMAPについて

メールソフトの設定などで、POPやIMAPという言葉を聞いた事がある人は多いのではないでしょうか。

IMAPとPOPはどちらもメールの受信用に使われる通信プロトコルで、IMAPやPOPがあるからこそ、OutlookやThunderbird、BeckyやWindows Mailなどのメールソフトでメールの受信ができるのです。

特にPOPとIMAPの両方に対応しているサービスやサーバーを使っている場合、POPとIMAPの選択はその後の運用に大きく関わってくる事になります。

そこで、今回はPOPとIMAPの違いや、どういった場合にどちらを選択するべきかを解説します。

メールを外部のサーバーから受信(ダウンロード)するための通信として、1984年にPOPが登場しました。
IMAPはそこから2年後、リモートサーバー上にあるメールに対して、クライアントがアクセスするための通信として使われるようになりました。

POPとIMAPの一番大きな違いは、POPがユーザーのパソコンへメールをダウンロードするのに対し、IMAPはメールの実態をサーバー上へ残したままパソコンへは(一時的な)キャッシュのみをパソコンで管理するという点です。

ブラウザから利用できるフリーメールアドレスをお持ちの方は多いと思いますが、ブラウザから利用できる「ウェブメール」には、実際ほとんどの環境でIMAPが使用されてもいます。

POPとIMAPの違い

次に、少し詳しく、POPとIMAPの違いを、プロトコルの挙動をベースに見てみます。

POP通信について

POPセッションの大まかな流れは次の通りです。

  1. サーバへ接続
  2. ユーザー認証
  3. 全てのメールを受信・ダウンロード
  4. パソコンへ新着メールとして保存
  5. 受信メールをサーバーから削除*
  6. サーバーから切断

*POPセッションはデフォルトでサーバーから受信したメールを削除しますが、多くの場合は、メールソフト側のオプションで受信済メールのコピーを任意の期間残しておく事もできます。

POPのメリットとは?

POPの一番のメリットは、何と言っても「サーバーからメールを受信しパソコンへ保管する」という動きとそのための仕組みが、シンプルである事でしょう。

動きと仕組みがシンプルな事により、POPには具体的に次のようなメリットがあります。

  • メールがローカルのパソコンへ保存されるため、例えばインターネット接続していない状態でも自分宛のメールへアクセスする事ができます。
  • インターネット接続が必要なのはメールの送受信を行う際の数秒間だけです。
  • サーバーのディスク容量の心配がありません。
  • 多くの場合、メールをサーバー上へ残す等のオプションがついています。
  • 複数メールアカウントや複数メールサーバーを使っていても、同じメールボックス内へメールを受信し、管理する事ができます。

IMAP通信について

IMAPセッションの大まかな流れは次の通りです。

  1. サーバへ接続
  2. ユーザ側のコマンドを元に(例えば新着メールの有無や、メール本文などの)必要な情報を取得し、ユーザーのパソコン上へキャッシュとして保持
  3. ユーザー操作を基に、未既読状態や返信有無、削除状況などのステータス処理を実行
  4. サーバーから切断

上記を見ただけでも、POPに比べてIMAPの方が処理として複雑な事が分かると思いませんか?

更に、サーバー上でデータの実態を持つIMAPの場合、メールの保存フォルダの構造なども、サーバー上で複製しておく必要が生じます。

普通は、IMAP上で管理されているメールのコピーは、一時的にユーザーのパソコン上でも管理されますが、パソコン上で、一時的ではなく恒久的に管理する事もできます。

IMAPのメリットとは?

先ほど触れたように、IMAPはサーバー上で管理されているメールへアクセスする目的で登場したプロトコルです。

複数のメールクライアントから同じメールボックスへアクセスできる点が最大のメリットと言えるのではないでしょうか。

会社や自宅のパソコンから、同じメールへアクセスでき、更にそこで返信したり内容を確認する等の変更も、すぐに反映されるため、常に最新の情報へアクセスできるのも、メリットとして挙げられる事が多くあります。

まとめると、IMAPには次のようなメリットがあります。

  • メールの実態はサーバー上で管理されるため、複数の異なる場所から同じメールボックスへアクセスできます。
  • メールを全部受信するのではなく、ヘッダのみ受信する事ができるため、メールの一覧を確認するだけであれば、POPよりも素早く行える事も多くあります。
  • パソコンが壊れても、メールがなくなる心配はありません。
  • ユーザーのパソコンのディスク容量はPOPと比べると少なくて済みます。

POPとIMAPの選択

POPとIMAPのどちらを使うべきなのかは、既存環境や想定しているメールの運用によって異なります。

POPとIMAPのどちらを選ぶべきか、については、次のような考え方でいかがでしょうか。

POPを選択するケース

  • メールの送受信を一カ所から(会社のパソコンにインストールされているOutlookや自分のスマートフォンなどの内)一つのクライアントのみで行う事を想定している場合
  • インターネット接続できない場合が想定できる場合や、インターネット接続ができない環境であってもメールの確認が常に必要な場合
  • サーバーのディスクに空き容量が少ない場合

IMAPを選択するケース

  • 複数の場所や、複数のメールソフト・端末からメールへアクセスする運用を想定している場合
  • インターネット接続が常時行える環境の場合
  • メールが到着し次第、新着メールとして常に確認しておきたい場合
  • ユーザーのパソコン上のディスク容量の空きが少ない場合
  • パソコンの故障やデータのバックアップを懸念している場合

上記に加えて、今使っているメールソフトをそのまま使用し続けるのであれば、POPに比べIMAPに対応しているメールソフトは多くはありませんので、お使いのメールソフトがIMAPに対応しているかどうかを事前に確認しておく事をお薦めします。

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