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第4話 積木

昨夜、年甲斐もなく、積木をしてみた。

全て同一の大きさの円柱型の積木が、20個

マッソーはまず、10個の円柱で以って、

下から4、3、2、1と積み上げ、一つの大きな三角形を作ってみた。

それはまるでお城のようでもあり、理想的なボディ(逆三角形)でもあった。

なんだか女子トイレの看板のようにも見えてきて、

顔を作ってあげようと躍起になって、

三角形の頂点に2個、1個の順に円柱を積み上げてみて、

そしてすぐに崩れてしまった。

なんだか、ニヒルな笑みがこぼれ、そして蚊の羽音のような声が出た。

どうして私は、このような年齢にもなって、積木などをしているのだろうと、

自分を笑った。

 

 

ここで、ある少年の話をしたいと思う。

家族3人で、珍しくも旅行した時のこと。

小田原の大雄山であったか、どこか外の山であったかは、定かではないのだが、

家族でお泊り旅行なんて滅多になかった少年の心は、

あまりの喜びに蚊が高く飛ぶよりも舞い上がっていたのだ。

旅館に行く前に山の神社に参拝に行こう、という流れで、

山の麓に辿り着くと、300段はあるであろう階段を目の前にして、

父と母は少年にこう言い放ったのだ。

 

 

「1人で行って来い」

 

 

熊は出ないにしても、蛇が出るかも知れない。

知らないおじさんに連れていかれることも、

階段から足を滑らせてしまうことだって、あるかも知れない。

決して過保護に育った訳ではないと自負してはいる。

今の時代で考えれば、少し可哀そうにも思えてくるが、

当時のその浮かれポンチの少年は、むしろ勢いを増して、

1段飛ばしで300段の階段を駆け上がっていったのだ。

少年は、そう、馬鹿だった

参拝の意味など知らない少年は、賽銭箱に小銭などは入れず、

ただガラガラだけをして、すぐに上った階段を駆け下りた。

少年は麓に着くと、ベンチに座った2人の背中を見つけて、

シメシメ、こいつは驚かせてやるチャンスだ、とソロリと近づいた。

1歩、2歩、その距離は迫る。

ここだっ! というタイミング。

 

 

「お父さんっ!」

 

 

少年はスキンヘッドの男性の背中に飛びついたのだ。

その瞬間、少年の頭に疑問が過った。

匂いが、違う。

父がこのような良い匂い(香水)がするはずがなかったのである。

振り返る男性、その隣に座る女性。

スキンヘッドにジャージといういでたちの香水漂う男性と、

蜜柑の皮が腐り始めたという色の髪のワンレンの女性が、少年を見つめていた。

今思えば、そのスジの人に違いないのではと思わせる風貌の男性に、

無邪気に飛びつく少年。

少年とスキンヘッド男とワンレン女の顔が作るトライアングルの刹那の3秒。

そのトライアングルに慌てふためいて近づいてくる、新たなスキンヘッド

そう、少年の父もまさかの、スキンヘッドなのである。

少年の父もさぞびっくりしたことであろう、

自分の息子が知らないスジものだと思われる、

自分と同じスキンヘッドの男性に後ろから抱きついていたのだから。

そこに新たな三角形が生まれた。

 

スキンヘッド、スキンヘッド、坊主。

 

それらをつなぎ合わせることで作り出される星座のような見事な逆三角形。

人里離れた山の麓に、見事な逆三角形ボディが浮かび上がったのだ。

ドスでも出されようものなら命は覚悟しなければならない、

少年の父はそう思ったのかも知れない。

少年の父はその頭を蒸気させながら、すいません、すいません、

と頭を下げる父の姿を見て、少年は涼しげに、母親向かってにこう言った。

 

 

「茹で蛸みたいだね★」

 

 

当然のことなのかも知れない。

少年は、自分の勘違いにより、スキンヘッド、坊主、スキンヘッド

という非現実的な偶像をその目に焼き付けたのだ。

振り上げられた父の拳は、少年の頭に落雷のように落ちた。

少年はこう思ったのだ。

僕は勘違いしたかも知れないけれど、でも、面白かったからいいじゃん、と。

 

 

マッソーの昔話?

いや、とある少年の話

勘違い、それに気づいた瞬間は確かに、焦燥し、自分の行動を悔やむのかも知れない。

だけど、本当にそれだけなのだろうか。

少しだけ視点を変えれば、勘違いが起こした非日常は、

楽しむべきドリームなのではないだろうか。

スキンヘッド、坊主、スキンヘッド、が織りなす夢の大三角形なのではないか。

だからマッソーは勘違いをしても、悔やむことは(なるべく)せず、

プラスに変える努力をしているのだ。

トイレットペーパー12ロールを買っていたことを忘れ、

さらにトイレットペーパー12ロールを買い足したマッソーは、

持ち腐れにならぬよう、積木などをしてみせるのだ。

もちろんそこには、ニヒルな笑いが添えながら、

スキンヘッド、坊主、スキンヘッドに思いを馳せているのだ。

 

 

以上、第4回マッソー斎藤の今夜もプロテインでした。

次回、プロテイン中学VSプロテイン老人ホーム!(未定)

第3話 やる気

やる気が出ない。

意欲が湧かない。

変わらぬ日常には飽き飽きだ。

そのような感情は、赤さんが泣いて母親を呼ぶのと同じくらい、

誰にでも生まれ出るであろう当たり前のものだ。

そんな時、貴方ならどうしますか?

気分転換に普段歩かない道で岐路に着いてみたり、

お気に入りの洋服でテンションを上げようと必至になってみたり、

何か新しいことにチャレンジでもしようと山登りについて調べてみたり、

YouTubeを巡ってみたり、好きなアーティストの歌をエンドレスリピートしたり、

カラオケで発狂してみたり、酒に溺れたり、異性に溺れたり、

小池百合子知事の政治塾「希望の塾」に参加しようかと悩んで、止めてみたり

まー方法はなんでもいいんですけれど、

その一歩が踏み出す勇気がでないという事実も、多聞にしてあるのではないでしょうか。

マッソー?

マッソーは慌てず、コーヒー豆を挽いて(無論石臼で蕎麦のように挽くのだが)、

暖かい湯でドリップし、隠し味にプロテインなどをドロップし、

左手の小指でそっとかき混ぜてから、愛おしそうに小指をねぶり

右手でそっとカップを持ち上げ、その芳醇な香りを楽しみながら、

合わせて左手も上げ、誰にもバレナイようにダブルバイセプスるんだ。

そう! コーヒー飲んでないよねっ☆

マッソーが言いたいのは、そんな時でも「慌てない」ということなのさ。

 

 

そんなマッソーでも、是非にとも見習いたいくらいの、

やる気に満ち溢れた表情を見せてくれた人がいたので、ここで紹介したい。

商店街のスーパーの前でたむろする4人のおばさま集団の中のその一人。

その人は、もちろんおばさまだ。

いや、4人の中でも一際若いと思われる風貌を要していて、

おばさまというのは失礼にあたるのかも知れないので、

ここではそのおばさまを『』と呼ぶことにする。

くだらない、笑えもしない、他人の家庭事情などどうでもいい、

芸能界の浮気や不倫の話題など話していても何の価値も見い出せない状況に、

こんなことをしている暇があったら、掃除、洗濯、炊事、いや、

上腕二頭筋と上腕三頭筋のスーパーセットでもしていた方がよっぽどマシだ、

は考えていたに違いない。

その刹那である。

は集団から顔を背け、何を思ったのか、なんと、

くわぁ~、と大きな欠伸(あくび)をやってのけた。

それはそれは、まるごとレモンが入っていまうほどの大口であり、

呆気にとられたのはむしろマッソーという次第であった。

そして、目が合う、とマッソー。

約1.5秒の静止した世界の果てに、の口元がにやりと緩んだのだ。

それはマッソーに向けた羞恥の表れなどではなく、

自身の心の強い決意の表れだったに違いない。

はおもむろにスマホで時間を確認し、一言二言残すと、

そそくさと自転車の籠に買い物袋を入れてその場を離れていったのだ。

欠伸とは、にとって、「やる気スイッチ」であったのに違いない。

欠伸とは、人間にとって、沢山の空気を体の中に取り込んで、

さあ何かをやろうという助走、それはつまり強い意志の表れなのだ。

 

例えば、社内で欠伸をしている新入社員がいたとしよう。

そんな時先輩である貴方は、新入社員の癖に生意気だ、と思うに違いない。

このクソガキが、てめぇは何の責任も感じないで仕事という名の暇潰しをして

いるんだろうけどな、てめぇのケツまで拭かされるこっちに身にもなってみろ。

貴方の脳に血液が集中し、おでこの血管を浮かび上がらせて、

新入社員に近づくと、その緊張で震えた右腕でおもむろに新入社員のお尻を……

 

ちょっと待ってください。

そんな時、貴方は新入社員にこう声をかけてあげるのです。

「君、凄いね!

脳を使いすぎているから、それを冷やす為に欠伸が出たんだよね。

私なんて、さあ寝よう、と思う就寝前にしか出ないものだから、

仕事のことばかり考えるが故に欠伸が出る君を、私は尊敬するよ。

あ、そうだ、今度の昇進試験、私から上司にしっかり話しておくから。

仕事中に欠伸ばかりしている君はきっとオリンピアで優勝間違い無しだね」

ほら不思議。

誰を傷付けることもなく、立ちどころに全てを解決してしまいました。

 

そんな訳で、今日の気づきは、欠伸はやる気、です。

マッソーはダンベルなどをしながら、このブログなどをしたためているのです。

もちろん、何にも慌てずに、大きな大きな欠伸をしながらね!

 

 

以上、第三回マッソー斎藤の今夜もプロテインでした。

次回、ダンベルフライで舞うドンフライ!(未定)